宮城県角田市にある、曹洞宗・長泉寺です。いち早く環境ISOを取り入れ、環境活動を推進しています。

dsc_0005_dxo.jpg 令和6年4月7日・・・晴れ dsc_0064_dxo.jpg 令和6年4月17日・・・曇り後晴れ dsc_0085_dxo.jpg dsc_0086_dxo.jpg dsc_0087_dxo.jpg dsc_0088_dxo.jpg dsc_0089_dxo.jpg dsc_0091_dxo.jpg dsc_0083_dxo.jpg dsc_0082_dxo.jpg dsc_0079_dxo.jpg dsc_0063_dxo.jpg dsc_0067_dxo.jpg dsc_0068_dxo.jpg dsc_0069_dxo.jpg dsc_0072_dxo.jpg dsc_0070_dxo.jpg dsc_0073_dxo.jpg dji_0869_dxo.jpg dji_0871_dxo.jpg dji_0867_dxo.jpg dji_0892_dxo.jpg dji_0894_dxo.jpg dji_0896_dxo.jpg dji_0893_dxo.jpg dji_0895_dxo.jpg dsc_0073_dxo.jpg dsc_0098_dxo.jpg dsc_0099_dxo.jpg dsc_0100_dxo.jpg
 

かく大學2023・利他(令和6年4月17日)

     おはようございます。

    時間が経ってしまいましたが、先日(2月23日)「かく大学2023の最終報告会」が開催されました。これは、角田市が町おこしの一環として推進している令和5年度の次世代育成事業の一部で、そのうちの「かく大学2023利他から始める未来学部が昨年、長泉寺で行われました。10名以上の方々が参加され、参加者は大学生から会社員、自営業の方に至るまで多種多様でした。私はゲストとして招かれ、「利他」に関するレクチャーを行う立場で参加しました。
    
    レクチャーする前に参加された方々へ「利他」とは何かと問いその思いを聞いてみましたが「野菜をあげるとお菓子がもらえる」「農家の手伝いをすると作物がもらえる」等の声がありました。が、本来今回のテーマである「利他」とは、他者のために何かをするという概念または行動で、自分自身の利益よりも他人やコミュニティ、社会全体の利益を優先する考え方を指します。具体的な例としては、ボランティア活動、寄付、公共財への貢献などがあります。これらは自分に直接的な報酬がない場合も多いですが、他者や社会に良い影響を与えるとされています
    
    仏教においても「利他」(または他利)は、非常に重要な概念の一つです。仏教の教えは、自己と他者、すべての生き物が繋がっているという基本的な見解に基づいています。この観点から、他者を助ける行為は最終的には自己を助ける行為でもあり、その逆もまた真であるとされます。仏教における利他は、「 慈悲 じひ 」と密接に関連しています。慈悲は、他者の苦しみを理解し、その苦しみを和らげようとする心の状態を指します。多くの仏教の修行(曹洞宗では、日常の生活を、自分自身を活かす修行と捉え、感謝と喜びの心で、一日一日を丁寧に生きることを大切にしています。 そのため、挨拶、掃除、調理、食事、洗面、入浴からトイレの作法にいたるまで、日常生活のすべてを修行と捉え、坐禅の心をもととして行動することを教えの基軸としています)は、このような慈悲心を培うために行われます。(正法眼蔵第一・現成公案)仏教における利他とは、自分と他者が一体であるという観点から、他者の幸福と解放を目指す精神的な姿勢や実践を指します。これは仏教が提供する道徳的・倫理的な指針の核心の一部と言えると思います。

    
このような観点から「利他」を理解してみると、個々の行動がコミュニティや社会全体にどれほどの影響を与えうるのかがより明確になります。仏教の教えが示す「一体性」と「慈悲」を日常生活に取り入れることで、より豊かな人生や社会が築けるものと確信しています。
    失礼しました。
 
※利他の対語は利己です。「利他」の反対の意味を表す「利己」を使っ た「利己主義」という言葉は聞いたことがあるでしょう。 自分だけの利益を優先するとい う考え方です。
 
 
 

 長泉寺 住職
奥野 成賢
 

 

市内在住の「乙葉みよし」様から、お地蔵様の着物を頂きました。ありがとうございました。