宮城県角田市にある、曹洞宗・長泉寺です。いち早く環境ISOを取り入れ、環境活動を推進しています。

毎年必ず発生している火災

  総務省消防庁が発行している『消防白書』によると、1998 年~2008 年の 10 年間に発生した灯火による火災は、約 650 件にのぼります。火災全体からみれば数 が多いわけではありませんが、10 年間を通しての発生件数の増減は少なく、毎年ほぼ 一定の数で火災が発生しています。

  灯火による火災の原因の多くは、仏壇・神棚で日常的に使用されているロウソクによるもので、このほか、近年ではリラクゼーションのひとつとして、 灯りや香りを楽しむためのアロマキャンドルの使用が流行しており、それを原因とする火災も発生しています。

なぜ灯火(お灯明)による火災が発生するのか

  今までは、神棚や仏壇にロウソクを設置した際、傍にあった札に引火して発生 する火災。このほか、灯りとして使用していたロウソクが倒れ、床板・テーブル・ その他家具等に引火して発生する火災。長時間使用したロウソクが燃え尽きて、 接触している可燃物に引火して発生する事等が原因とみられていました。

  

しかし、先日の NHK のニュース(10 月 23 日)では「ロウソクの芯が飛ぶ」ことによる火災が報じられていました。その原因は、ロウソク立てを洗った後に残っていた水が原因となっているとの事でした。ロウソクが燃え尽きる時、溶けた「ろうの膜」に閉じ込められた水分が数百度の炎に熱せられて沸騰し、「ろうの膜」が破裂して芯を飛ばし火災を招いたとのことです。

灯火(お灯明)の正しい利用法(火災を防ぐために)

  ◆灯火(お灯明)の設置方法

・ロウソクを設置する場合は、正規の燭台を使用する。

・灯火が転倒しないよう設置場所には細心の注意をはらい、防災マットを敷く。

・ロウソクを神棚・仏壇に設置する場合、炎の高さを考慮しながら、周囲の供物やお札などとの距離に注意をはらう。

・灯火は子どもの手の届かない場所に設置する。また、子どもが灯火に近づかないよう注意をはらう。

・風のあたる場所では使用しない。

・燭台等を洗った後は、きれいに拭いて水分を残さない。(New!)

◆部屋を移動する場合

・火を消してから移動する。

◆外出する場合

・必ず火を消す。

◆就寝する場合

・必ず火を消す。

※万が一、周囲に引火してもすぐに消火できるように、水などを用意しておくことも重要な備えとなります。

  火をつけたまま「部屋を出ない」・「外出しない」・「寝ない」という大前提を しっかり守るとともに、スプレー型消火器などを仏壇やアロマキャンドルの傍に常備して置く事も重要です。